2023年12月4日から12月8日まで、カンボジアのジャパンハートアジア小児医療センターにて短期医療ボランティアとして活動させていただいたことを報告いたします。
2016年の開設以来、このセンターは小児固形がんの治療における地域間の格差を埋めるため、無償の医療サービスを提供しています。私はこの度、産婦人科医として外来診療(通訳サポートを受けて)、手術、分娩誘発、妊婦健診といった医療活動に参加し、指導にあたらせていただきました。
日程は以下の通りです。
•12月4日:病院到着後、現地レクチャーを受講し、午後は婦人科手術の見学および指導を行いました。
•12月5日:緊急帝王切開やがん手術など、複数の手術指導に携わりました。
•12月6日:子宮脱手術の指導および外来診療、午後はジャパンハート代表とのミーティングを実施しました。
•12月7日:日本人及びカンボジア人助産師と日本人助産師への母体救命シナリオのシミュレーション教育を行い、外来診療と手術室ナースへの術式説明・指導、カンボジア人医師への腹腔鏡トレーニングを指導しました。
•12月8日:午前中に小児科病棟の見学と回診を行い、午後に帰国いたしました。
現地の医療者は高い志を持ち、優れた技術を有しております。限られた資源の中での治療の難しさと、日本の医療環境の恵まれていることを再確認しました。この貴重な経験を、医学生や研修医、医局員の教育に活かしていく所存です。
今後、希望者がいれば今回の1週間の短期間ボランティアに行ける様にサポート可能な体制を整え、後進の国際医療貢献の経験の機会として提供できるよう取り組みたいと考えております。本活動へのご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
日本医科大学千葉北総病院 女性診療科 産科部長 市川剛
カンボジア人医師に妊婦健診、胎児心エコーのスクリーニング指導
子宮脱手術の指導。左から2名がカンボジア人医師
婦人科外来診療(左がカンボジア人医師で、外来診療の指導)